配信者に告ぐ。「ドント・ハングアップ」
どうも。
最近、役者さんの怪談話のクオリティの高さに震えが止まらない人です。
もうすごいとしか言いようがない。
語彙力が死ぬくらい、ガチで怖がらせにくる。
そんな話をヘラヘラしながら、丑三つ時に聞いたり見たりしてる私は、頭のネジがぶっ飛んでるんだろうなー。
とか思いつつ、見ててスッキリしたホラー映画の感想を書いていきます。
ホラー映画なのか?いや、ジャンルとしてはホラー映画って書いてあった、気がする。
【目次】
「ドント・ハングアップ」
2016年のイギリス映画。
監督はダミアン・マセとアレクシ・ワジブロア。
【出演】
・サム:グレッグ・サルキン
「イタズラモンキー69」のメンバーの青年。メンバーの中では比較的常識を持ち合わせている方だが、流されやすいタイプ。ベタ惚れしているガールフレンドのペイトンから一方的に別れを切り出され、SNSでも無視されて悩んでいる。
・ブレイディ:ギャレット・クレイトン
「イタズラモンキー69」メンバーで、サムの親友。映画学校に進学を希望していたが、海兵隊への入隊を決めてタトゥーを入れる。家庭環境が複雑なようだが、母親の事は大切にしている。
・モーズリー:ジャック・ブレット・アンダーソン
「イタズラモンキー69」メンバー。ペイトンと同じピザ屋でバイトをしている。
・ロイ:エドワード・キリングバック
「イタズラモンキー69」メンバー。
・ペイトン:グレイ・ベラ・デイン
サムの彼女。モーズリーと同じピザ屋でバイトをしている。
【あらすじ】
いたずら電話をかけて、その様子をネットでシェアしている「イタズラモンキー69」のサム、ブレイディ、モーズリー、ロイ。
深夜、警察を装ってコルバイン家に電話をし、夫が留守で、幼い娘と二人きりだというコルバイン夫人に侵入者がいると嘘をつく。そして怯える相手のリアクションを楽しみ、最後に「イタズラでした」と伝えて、その様子を動画シェアサイトに投稿した。
ある日、サムのSNSに少女のアイコンの「イジ―」から友達申請が来るが、彼はそれを無視。
サムの両親が旅行で留守にしている中、ブレイディが訪ねてくる。
モーズリーとペイトンがバイトしているピザ屋のデリバリーを取り、カメラを回しながらイタズラ電話をかける二人だったが、高圧的な男が出て不穏な雰囲気に。やがて映画を見始めた二人だったが、高圧的な男の方から電話がかかって来る。
自分を「リーさんと呼べ」と言い、サムたちの個人情報を知っている謎の男は、「電話を切るな」と言うのだが……
【ネタバレ無しで書いていく感想とか】
迷惑系YouTuberっているじゃん?
ここに出てくるサムたち「イタズラモンキー69」は、まさに迷惑系YouTuberそのもの。作中で動画をシェアしてるサイトはYouTubeじゃないし、サイトの見た目も全然違うけれど、人が怖がる様子を勝手にシェアして笑ってるのは最悪。
そいつらが、必殺仕事人的なリーさん(仮)にキャハーされるのは、見ていて気分爽快。
リーさん行け!やってしまえ!!迷惑系YouTuberを撲滅するのだ!!
YouTuberじゃないけどね。
電話を切るなって言われても切る映画
タイトルの「ドント・ハングアップ」は、英語で「DON'T HANG UP」。
余談だけど、原題も「DON'T HANG UP」。
意味は「電話を切るな」。
ただ、作中でサムとブレイディは電話を切りまくる。どんだけー。
まぁ迷惑系YouTuberみたいな事してても、自分たちが同じ事をやられたり、罠にはめられてるとは思いつかないんだろうね。それに、電話を切っても大したことにはならないと思い込んでる感じがする。
どこまでも主人公たちを嫌いになれる映画。
ある意味すごい。
「電話を切るな」は作中で何度も使われてて、完全にキーワードになってる。
最初はサムたちが、イタズラ電話の相手のコルバイン夫人に。
その後は、リーさん(仮)からめっちゃ言われる。下手したらメールでも言われる。切ったらキャハーだよとか言われる、でも切るサムたち。メンタル強い。
で、電話を切るとサムたち以外の時間が動いたり謎がひとつ解けたりする。電話を取るとリーさんの圧力が増えて、動けなくさせられる。
「電話を切るな」ってタイトルの使い方とか、展開の仕方が上手いって思う。
息をするなとか、動くなとか、何かと制限を付けるホラースリラー映画が増えてるけど。この映画、完全に煽っていくスタイル。
電話を切るな、でも切っちゃう、それでストーリーが進行していく。
そしてこれ、主人公のサムたちをとことん自覚無しの悪者にする事で、リーさん(仮)の行為を正当化もしてる。タイトルの意味は「ドント・ハングアップ」じゃなくて、「電話を切るな、という忠告を守れない場合」みたいなのが正解。だと思ってる。
あと、作中でちょいちょい出てくる、リーさん迷言集。
- 「これで再生数かせげる」ロイをキャハーしながら言いますか!?
- 「メインイベントは今夜の生配信」サムとブレイディ閉じ込めた様子を生配信?
こういう意味合いにも取れる事を言ってて、完全に迷惑系YouTuberへの警告映画じゃんって思う。細かい事言うと「再生数」とは言ってないけど。
※字幕版視聴者
なんかYouTuberって、再生数とか登録者数とかが命みたいな話を聞いたのね。数字が大切で、登録者数で上下関係が決まるみたいな噂。
「イタズラモンキー69」は、これで再生数爆上がりじゃん!登録者数も急上昇じゃないの?バズっちゃうじゃん!!
だからYouTubeじゃないって。
ありがちなストーリー
ぶっちゃけ、結構ありがちなストーリーだと思うわけですよ。
「イタズラモンキー69」の数々の迷惑行為に、序盤でのコルバイン夫人の言動。あぁこれは復讐系のスリラー映画だって。
ただ、リーさんから送られてくる動画のトリックとか、サムとブレイディを家に閉じ込めるやり方とか、仲間割れを誘導していくのが上手すぎる。
ノートパソコンのカメラをハッキングして監視とか、ファルコンですか。
どこぞのプロフェッショナルだよ。
あ、最近、なみだぁ~こらえたぁ~ってエンディングのドラマ「ブラッディ・マンデイ」を一気見したもんで。ハッカーと言えばファルコンという気持ちが再燃焼してます。
三浦春馬くん演じるファルコン……何も言えない。言葉が出てこない。
アマプラのブラッディマンデイのリンク貼っちゃいます。
まぁ、リーさん(仮)のハッキングも凄腕だよ。ファルコンといい勝負できるんじゃない?
リーさん(仮)は、執念の方も凄腕だけどね。
ただ、本当にこの映画は主人公たちを嫌いになれる。
ぶっちゃけ、リーさん(仮)頑張れ、サムたち滅びろ的な気持ちにまでなってくる。
サムの彼女のペイトンが別れたがってたのは浮気が原因だし。
ブレイディは、ペイトンとの***(自主規制)を動画に記録してるし。
追い詰められたらサムは簡単に裏切るし。
全員クズですかね?
そしてリーさん(仮)とのご対面後、サムに最後のお仕置きしてのラスト。もうゾッとする。
ゾッとするけれど、いいぞもっとやれって思う。
ネットにイタズラ動画を流すのは止めましょう。
イジ―のアカウントから申請が来たら、リーさん(仮)のお仕置きの合図だぞ。
そんな都市伝説が出来そうな気がしてきた。
そういえば、終盤でのサムとブレイディの俺たちズッ友宣言から二人の行動が迷走してる気がするんだけど、それ込みであのラストなのかな。
まぁ、友情復活したからこそ、リーさん(仮)はあのラストで満足してそう。
危機的状況下で「俺たちずっ友だぜ」とか言っちゃうサムとブレイディ、やっぱり鋼のメンタルだわw
そして、最後までリーさん(仮)って書いたけど、許して。
リーさん(仮)本人も適当に名乗った名前みたいだし、いずれ本名教えるとか作中で言うけど。
でも!だって!名前書いたら完全にネタバレするんだもん!!
うっすらわかった人も、全然わからない人もちぇけらー。
迷惑系YouTuber大嫌いって人は絶対見よう、必殺仕置き人リーさん(仮)の活躍を見よう。
ついでの話
すっごい細かい余談になるし、映画もう一度見ながら(さっき)気付いたんだけどね。
サムたちが動画をアップした日が変なんだよ。
序盤で、コルバイン家へのイタズラ動画をアップしてるのが2015年。
作中でサムの家にブレイディが来てイタズラ動画をアップしてるのが2014年。
もしかして、リーさん(仮)のお仕置きが2014年に終了。それでも怒りが収まらないリーさん(仮)本人がコルバイン家への動画をアップして、影響を受けるように仕向けて、同じように動画投稿をするようになった人を見つけたよ……って意味だったらヤバい!って思った。
続編もあるよ的なイジ―の友達申請じゃなくて、リーさん(仮)の人生もボロボロになって戻らないんだよって意味じゃん。
必殺仕置人リーさん(仮)の本気の闇が見えた気がする。