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丑三つ時でもホラー映画

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不条理ホラーの真骨頂。「CUBE」が好きすぎてヤバい。

どうも。
閉所大好き、昔は押し入れに住みたかったひとです。

 

 

今日は、私の敬愛するヴィンチェンゾ・ナタリ監督の初の長編映画「CUBE」について書いていきます。
ちまちま書かないのは言わずもがな。

ファンなもんでね、ちまちまという量で収まらない予感しかしない。

 

CUBEの公式予告編が無かった!無念。こういうところに、やたらと気を遣う。

 

立方体の画像を見るか、ボタンを舐めて渇きをごまかしておいてくれ。CUBEを見ればボタンの意味はわかる。が!飲み込み注意。

 

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『CUBE』

最初に出てきて瞬殺される男性を含めると、キャストは7人。実質6人で進みまー…あ、いや、カザンは途中から合流するし、その前に脱落する人もいるから、だいたい5人になるのか?

 

キャスト

レブン:ニコール・デ・ボア

 数学を専攻している女子大学生。記憶力がいい。本を読むときだけ眼鏡が必要で、その眼鏡はCUBEの中にあった。


ワース:デヴィッド・ヒューレット

 皮肉屋で無気力な独身男性。自分のことを語ろうとはしない。

 

クエンティン:モーリス・ディーン・ウィント

 警官をしている、屈強な黒人男性。子供が3人、別れた妻がいる。頭に血が上りやすい。


ハロウェイ:ニッキー・グァダーニ

 開業医をしている独身の中年女性。陰謀論が好き。面倒見が良く、カザンの保護者替わりとして行動する。


レン:ウェイン・ロブソン

 小柄な初老の男性。過去に7つの刑務所から脱獄した経験を持つ、脱獄のプロ。通称「アッティカの鳥」。


カザン:アンドリュー・ミラー

 障害を抱えている男性。数学のとある分野にのみ天才的な才能を見せるため、サヴァン症候群と思われる。

 

【ストーリー】

謎の部屋の中で、1人の男が目覚めた。部屋は立方体、全ての壁には扉が付いていて、扉の向こうにも同じ部屋がある。別の部屋に入った男はトラップにかかり、無残な姿になって死んだ。

 

クエンティン、ワース、レブン、ハロウェイ、レンは、謎の立方体の部屋で目覚めた。

全員、自分の名前が書かれた服に着替えさせられていて、装飾品などは全てなくなっていた。しかも、目覚める前の記憶は曖昧だった。

 

クエンティンがまとめ役になり、レンを先頭に脱出を目指し始める。

靴を投げてトラップの有無を確認しながら進むが、予想外のトラップにかかってレンが死んでしまう。

 

残されたクエンティン、ワース、レブン、ハロウェイはショックを受け戸惑う。

しかし、それぞれの部屋に番号が書いてあることに気付いていたレブンは、その数字がトラップの有無や部屋の座標を示していることを計算して導き出す。

 

やがて4人は、なぜか別の部屋にいたカザンと出会う。部屋の色が変わると騒ぐ、トイレを我慢できないなどと足を引っ張るカザンだが、ハロウェイは根気よく面倒を見る。だが、場の雰囲気は悪くなっていき、クエンティンとハロウェイは衝突する。

 

クエンティンがトラップにかかって怪我を負い、怒りの矛先は、出口は存在しないと言うワースへ。

そしてワースは、CUBEに関して知っていることを語り始める。

レブンは、ワースの話から外につながる1つの部屋の存在を導き出し、ついにそこへたどり着くが…。

 

CUBEキューブ(字幕版)

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【ファンが書く感想と、若干のネタバレ】

私がCUBEを初めて見たのは、某大手レンタルショップでVHSがまだ存在していた頃。

そのVHSには、ヴィンチェンゾ・ナタリ初監督作品の短編映画Elevated」も入っていて、気持ち悪さを感じつつ止められない止まらない状態になった。

 

その「Elevated」は「CUBE」の元…というか。前身になった作品。

まぁね、「Elevated」の方がグロいし、短編映画だからキャラの動きも少ないし、オチも違うけどね。全体的には同じ感じで、とにかく嫌な気持ちになったわ。不条理すぎ。

この不条理映画が病みつきになるっていう私も、かなり危ない。

 

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とりあえず、密室空間では権力は暴走するもんだし(スタンフォード監獄実験を連想した)、ストレスも溜まるわな。

そこで感情が暴走するか、落ち込むか、依存するか。

人間のメンタル面の危うさも見事に描かれてて、やっぱヴィンチェンゾ・ナタリ監督はすごいと思った。あらためて。

 

CUBEっていう物理的な空間もだけど、精神的にも圧迫された空間。嫌なのに癖になる。

 

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それでも、クエンティンの暴君っぷりには恐怖しかない。絶対にDVやってるやつ。

ハロウェイも若干うざいキャラで、陰謀論がしつこいしヒステリック。だまらっしゃい!って思う。

陰謀論はさ、ミスター都市伝説の特権だから。…知らんけど。

途中、レブンがクエンティンに対してハートマーク浮かべてるのには、吐きそうになる。

 

そんでも好きなシーンがいくつかあって。

ハロウェイが外壁を調べに行く前、ワースと普通の会話をするとこ。

ワースの名前がデイヴィット、ハロウェイの名前はヘレンって、すっげー改めての挨拶をするんだけど。なんか救われるんだよね。

 

あと、ラスト直前のクエンティンの結末には「ざまぁwww」ひたすらこれしかない。

で、ラストシーンで光の中に進んでいくあの人(ネタバレ回避の自主規制)

もうさ、印象的っていうのを超えてる。忘れらんねぇよ。

 

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でね、この映画、1つのCUBEセットだけで撮影したらしいよ。最近、何かで読んだ。

1つの立方体だけ作って、あとは照明の色を変えたり、撮影の角度を変えたりして。

良く見ると、ほんとに全部同じ部屋なんだよね。

ヴィンチェンゾ・ナタリ監督はやぱり天才(どんだけ惚れこんでるんだ)。

 

 

ラストは完全に不条理というか。完全に、鬱と不条理の上をいっちゃってる。

子供に会うために外を求め続けたクエンティンは、「赤だぞー」って言いながら光の中に入れない。

未来を信じてるレブンは「それでも私は生きる」って言った瞬間にアレ(自主規制)

諦めてるワースは皮肉たっぷりに「外には人間の愚かさしかない」って言うけど、ほんとそれしかない。そこにカザンが向かっていくのは…皮肉だよね。

 

とりま、約束の飴ちゃんは、誰からもらえるんだろう?かなりの量だぞ。

 

あと、最後までCUBEが何のために誰が作ったのかわからないのは、なんか気持ち悪い。スッキリしない。

フラストレーション溜まりっぱなし。

それが不条理ホラーの良いところ、真骨頂!

外壁を作ったワースは、持て余した公共事業とか言ってたけど、なんかもう少し知ってそうなんだよ…。「死人に口なし」になったけどさ。

 

あと、ほんとごめんなさいなんだけど、何度見ても数学の法則がよくわからない。

10回以上は見てるけど、未だにわかってない。

算数の段階でドロップアウトしてるから、これはもう個人的にしゃーなし。

 

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余談だけど、「CUBE2」「CUBEゼロ」とかシリーズとして作られてるやつ、ヴィンチェンゾ・ナタリ監督は関わってないんだよね。

立方体の中に見知らぬ男女数名が閉じ込められて、脱出しようとする」っていう設定を引き継いでるだけ。続編とか言われてるけど、製作陣は全員違うし、個人的にも続編とは思ってない。思えない!

よくある、売れたから続編作ったら大失敗しちゃった事件の典型。

 

CUBE2」とか「CUBEゼロ」では、「CUBE」のその後には一切触れられてないし。だから、完全に別物として見て欲しい。

ってか、一緒にしないで。(謎のこだわり)

 

 

 

 

 

 

 

 

そういえば、このジャケットのスキンヘッド男。劇中、最初にCUBEのトラップにかかる人。

これを見たら、暫くはサイコロステーキが食べられなくなることを保証します。

 

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