ファウンドフッテージあるある映画「アパートメント:143」
この前、なんか面白い映画ないかな~とアマプラで無料配信中の映画チェックしてみたら‥‥。
あったよ!!
TSUTAYAに入り浸って、新作ホラー映画DVDをレンタルしまくってた頃に見たホラー映画。
面白いかどうかより、懐かしさから見ました、えぇ。
そして今見ると、これ、こんなに面白かったか?!ってなったので、その感想やらなんやらを書いていきます。
『アパートメント:143』
2011年にスペインで製作されたホラー映画。
原題は「Emergo」。
監督はカルロス・トレンス。
脚本は「リミット」を手掛けたロドリゴ・コルテス。
【登場人物】
・アラン・ホワイト(カイ・レノックス):依頼人の男性。現在無職。妻に先立たれ、男手一つで娘ケイトリンと幼い息子ベニーを育てている。
・ケイトリアン(ジーア・マンティーニャ):思春期真っ只中の少女。父親を嫌っていて、調査チームのメンバーにも手厳しい態度を取る。弟ベニーに対しては優しい一面も。
・Dr.ヘルザー(マイケル・オキーフ):超常現象調査チームのリーダーの男性。精神科医でもある。
・エリン(フィオナ・グラスコット):ヘルザーの助手であり秘書。ヘルザーとは長い付き合い。真面目な女性だが、ポールと冗談を言い合うことも。
・ポール(リック・ゴンザレス):主に撮影や科学技術を担当する青年。ふざけた態度や発言も多いが、仕事はしっかり行う。
【あらすじ】
超常現象調査チームのDr.ヘルザー・エリン・ポールの3人は、調査を依頼してきたホワイト家が住む古びたアパートメントの143号室へ向かっていた。
依頼人のアラン・ホワイトは、妻が死んでから自宅で奇妙な現象が起こるようになり、幼い息子ベニー・思春期の娘ケイトリンを連れて、アパートメントの143号室に引っ越してきたのだと言う。しかし、引っ越してしばらくしてから、再び奇妙な現象が起こるようになったらしい。
143号室内に監視カメラやサーモグラフィーカメラを設置して、心霊現象なのか、他に原因があるのかを調査し始めるチーム。すぐにポルタ―ガイストが起こり始めるが、なかなか原因が掴めない。
思うように調査が進まないため、Dr.ヘルザーは霊媒師に調査協力を依頼する。そして、アランの妻の死に隠された嘘と真実が浮き彫りになっていくのだが‥‥
【感想やらなんやかんや】
これ、2011年製作の映画なんだよね。ホラー映画好きにはわかると思うけれど、この時期はホラー映画といえばPOVだった。
POV、モキュメンタリー、ファウンドフッテージが主流。低予算ホラーといえば、もうこのタイプしかなかった。
というか、POVじゃないホラーを探す方が難しかった。POV見過ぎてて、ちょっと食傷気味だったよ、ほんともう。
「多分に漏れず乗っかりました、ファウンドフッテージ映画」
2008年の「REC/レック」、2010年の「パラノーマル・アクティビティ」の大ヒットがあって、その流れでPOVいけるじゃん!しかも予算抑えられる!!みたいになったんだよね。たぶん。きっと。そうにちがいなかろう。
POVとかモキュメンタリーは、こんな感じの映画のこと。
- POV:正式にはPoint Of View、一人称視点で撮られた映画。登場人物の中の一人がカメラ回してる系。
- モキュメンタリー:フェイクドキュメンタリー。本当にあった体で撮られたフィクション映画。
- ファウンドフッテージ:発見された映像をお見せします的な映画。
「アパートメント:143」と何の関係があるのかって?
本当にこの時代はこれ系の映画ばっかりだったのよ!!
因みに、監視カメラの映像とか、依頼主への質問を記録した映像とか、ポールがハンディカムで撮った映像をうまーく繋げた感じになってるよ。どれかと言えば、ファウンドフッテージが一番近い気がする。
POVの「これ本当の出来事です」みたいな、「フィクションだよね、リアルじゃないよね」っていう、身近に起こるかもしれない恐怖。本当にあったのかわからないモヤっとした恐怖感はゼロ。
あと、監視カメラ、ハンディカム、インタビュー映像とかいろいろ切り替わるから、落ち着きがないといえば、無い。
こうね、じっくり見たい人は苦手かもしれない。私は好きだけど。
「ちゃんとホラーなストーリー」
科学で調べますから(キリッ)っていうポーズ、斬新だった。
科学で幽霊調査しますみたいな推理小説かホラー小説を読んだ記憶があるんだけど、どうしても思い出せない。思い出せないもんは仕方ない。
あと、ポルターガイストの原因は、オカルト好きならピンと来ると思う。かの有名な、エンフィールドのポルターガイスト事件を筆頭に、いろいろ残ってるからね。
「死霊館」シリーズ2作目の「死霊館 エンフィールド事件」のモデルになった事件だから、気になる人はちぇけらー。
ただ、エンフィールド事件とローレン夫妻のなんやかんやを混ぜたストーリーで、実際に夫妻が事件を調査したわけじゃないらしい。
まぁ、ストーリー後半で霊媒師呼ぶ必要あった?とツッコミたい気持ちは抑えて、ゆるいノリで楽しむのが良いかと。
ただ、この前見た「ウィジャ ビギニング~呪い襲い殺す~」で、海外のインチキ霊媒師のやり口のひとつを学習したばかりだからなのか、ニセモノ霊媒師キターーーーって盛り上がってしまった。
……なんか、また観る順番間違えてた?
あと、ポルターガイストは起こるのに、幽霊が恥ずかしがって(?)なかなか姿を見せてくれないのにはJホラーに通じるものがあった。
ようやく顔を見せてくれた時、え、結局幽霊なんかーい!って思うのはまぁご愛敬。
B級映画だし、いいじゃないか。
個人的には、ちゃんと科学とか医療の観点からも調査してたり、裏取り調査してるのは好きだな。ホラー映画なのに。
若干のヒトコワ要素というか、なんというか。
ただ、ラストでDr.ヘルザーが「最初から全部わかってた」って言うのには、もやっとした。
調査の意味どこ行った?
まぁ、わかっているうえで人間関係を壊さないようにしつつ、事件を紐解いていったって思えば……まぁいいかな。2回目以降の視聴は、Dr.ヘルザーと同じ視点で見るわけだし。
(今回3回目くらいの視聴になった人が書いてます、はい。)
とりあえず、POVとかモキュメンタリー、ファウンドフッテージ系の映画好きだよって人にはおすすめの映画。
「毎度おなじみ原題×邦題問題」
しかしタイトル「アパートメント:143」って。
原題の「Emergo」は、スペイン語で「私が現れる」みたいな意味らしい。
英語じゃないっぽいけど、私はスペイン語わからないし、ネット翻訳にかけただけだから正確な意味ではないと思うけど。
何かが違うぞー?
いや、舞台はボロアパート(ホワイト家の住所)の143号室だから、あながち間違いではないけどさぁ。
配給会社さん、もうちょっとーってこれ毎回言ってるわ、私www
とにかくファウンドフッテージ系好き、主張し過ぎな幽霊が多い海外ホラーより照れ屋な幽霊の多いJホラー派、ベニーの無邪気さに癒されたい(?)人におすすめの映画だと思う。