【読書の秋】原作から読むか、映画から見るか②
どうも。
少し前のお題だった「読書の秋」、勝手にヤッチマイナー第二弾!!書いてから今週のお題じゃなくなってたと気付いたとか、そんなことがあった。うん、まぁいいか。
とりあえず、前回書いていて楽しかったのと、本棚整理始めたら映画化された小説がどっさり出てきたので、また同じテーマで書いていきます。
それでは、れっつらごー。
【原作小説から読むか、映画から見るか】
「インザプール ドクター伊良部」奥田英朗
問題しかない精神科医の伊良部が、患者の心の問題を解決したりしなかったり、遊んじゃったりするシリーズ。ドラマ化、アニメ化もされた人気作。短編集だから気軽に読める。あと、話のテンポも良い。
でも、電車内とかで読んじゃいけない本。思わず笑っちゃうし、笑いをこらえて変な顔になるから、声を出しても大丈夫なところでしか読めない。マスクしていても危険。(経験者は語る)
破天荒な伊良部先生、絶対に患者にはなりたくない。まず、こんなドクターいないと思うけれど……いない、よね?で、伊良部先生は主人公だし、当然のように濃すぎるキャラなんだけれど、よくこんな病気になるなーって患者しか出てこないのも見どころ。
「イン・ザ・プール」の勃ちっぱなしとか、よくこんな病気思いつくわ!と思ってしまった。病名もフィクションだよね??なんか、不安になってきた。
ドクター伊良部シリーズ2作目。「空中ブランコ」、「ハリネズミ」、「ホットコーナー」、「女流作家」の4編を収録。
ドクター伊良部シリーズ3作目。「オーナー」、「アンポンマン」、「カリスマ稼業」、「町長選挙」の4編を収録。
映画「インザプール」
勝手に評価[☆☆☆☆☆]
2005年の脱力系コメディ映画。三木聡監督作品。
三木監督作品なら(良い意味で)狂ってるだろうと思って見て、安定の作風にお腹痛くなるまで笑った映画。私、三木監督ファンです。ドラマ「時効警察」、映画「亀は意外と速く泳ぐ」「図鑑に載ってない虫」「インスタント沼」をはじめとして、毎回爆笑させてもらってます。
松尾スズキ演じる伊良部と、オダギリジョーの「勃ちっぱなし」、市川実和子の「いてもたっても」、田辺誠一の「イン・ザ・プール」が微妙にすれ違いながら進んでいく作品。
松尾スズキのいい加減な感じとか胡散臭さが、伊良部のイメージそのもの。
専属の看護師マユミちゃんが、無駄にセクシーなのもツボに入れば面白くなってくる。マユミちゃん、よく伊良部に我慢できてるなぁって思うよ、ほんと。一番すごいの、実はマユミちゃんじゃないの?
「変身」フランツ・カフカ
「ある朝、グレゴール・ザムザが目覚めると、巨大な一匹の毒虫に変わっていた。」こんな奇妙な文章から始まる、フランツ・カフカの有名な中編小説。
これを高校時代の読書感想文の本に選んで、難解過ぎて困った挙句、別の本にしたという苦い思い出のある一冊。大人になった今なら、この作品の不条理さや人間の本質の醜さがよくわかる。
突然虫になってしまったグレゴールへの家族の仕打ち、グレゴールに頼りきりだった家族がグレゴールを捨て成長していく様子には、言いようのない虚しさが残る。
映画 カフカ「変身」
勝手に評価[☆☆☆]
2019年のイギリス映画。
実際に本を読み上げるようにナレーションのような台詞が入るので、グレゴリーの心境や状況、家族との関係を客観的に見ることができる。ただ、説明が必要ないシーンが多々あるため、好みは確実に別れる。
しかも、虫の姿がリアルなのに人間ぽさも残っていて、かなり気持ち悪い。虫が嫌いな人には、見ないことをオススメしたい。ガチで。
それでも、グレゴリーに対して家族が憎悪むき出しの表情で迫るシーンには迫力があり、人間の黒い感情がむき出しになっていて、原作の不条理感をよく実感できるようになっている。
原作を読み終わった人には、ナレーションが邪魔に思えるかもしれない。本を読むのが苦手、原作を理解するのが難しいという人には、映画から見るのもアリかなぁ?と思わせる作品。
「オズの魔法使い」ライマン・フランク・ボーム
有名な児童文学「オズの魔法使い」。児童文学だから凝った言い回しもなく、シリーズ14作品と数が多いから大人でも楽しみやすい。
竜巻に飛ばされて、愛犬トトと一緒に不思議なオズの国に来てしまった少女ドロシー。脳が欲しいカカシ、心が欲しいブリキのきこり、勇気が欲しい臆病ライオンと共に、願いを叶えるためにオズの国を旅する。
続編「オズの虹の国」。
オズの国に住む少年チップは、育ての親モンビおばあさんから逃げ出し、カボチャ人間ジャック、木挽き台とエメラルドの都を目指す。しかし、少女ジンジャー将軍によってエメラルドの都は乗っ取られてしまう。
エメラルドの都奪還と、正当なオズの後継者オズマ姫を探すため、チップ、カボチャ頭のジャック、木挽き台、空を飛ぶガンプ、カカシ、ブリキのきこりは旅をする。
シリーズ3作目「オズのオズマ姫」。
乗っていた船が嵐に巻き込まれ、再びオズの国に来てしまったドロシー。鶏のビリーナも一緒だ。
オズの西の果てにあるエヴの国では、ノーム王が女王と10人の子供たちを置物に変えてしまった。それを知ったドロシーは、友人のカカシ、ブリキのきこり、臆病ライオンと再会し、オズマ姫やロボットのチクタクと共にエヴの国を助けに向かう。
映画「OZ」
勝手に評価[☆☆☆☆]
1985年のディズニー映画。
「オズの魔法使い」の続編で、「オズと虹の国」「オズのオズマ姫」を原作とするファンタジーアドベンチャー。
オズの国から戻ってから眠れなくなったドロシー。困り果てたエム叔母さんは、ドロシーを病院に連れて行く。しかし、オズの国からのメッセージを受け取ったドロシーは病院を抜け出し、気付けば雌鶏ビリーナとオズの国にいた。
明るいミュージカル映画だった「オズの魔法使い」とは違い、ホラー映画のような雰囲気のある作品。どこまでも追ってくる不気味なホイーラーズや、生首を保管する魔女モンビなど、子供が見たらトラウマになりそうなキャラクターも登場。
ホイーラーズの手足のタイヤのキーキー音が、黒板を爪でひっかいた音にちょっと似ていて、最初びっくりしたのを覚えてる。
当時の最先端の撮影技術が使われたにも関わらず、評判はイマイチだったらしい。私は、こういう合成とか、映画の内容とか好きだけどね。
その影響か、日本語字幕・吹き替えのBlu-rayやDVDの発売数はかなり少なくて、今配信しているのもdTVだけ。AmazonでDVD発売はしているものの、日本語には対応していない。日本語字幕や吹き替えの有無は、確認必須。
【脱線して、ノベルゲームアプリ】
映画も小説も関係なくなるんだけれど、「オズの魔法使い」をモチーフにしたノベルゲームアプリ「オズの国の歩き方」、大好きです。
オズの国の歩き方 | ナイトメア・プロジェクト - SUNSOFT
ホラーノベルゲーム「歪みの国のアリス」で有名な、ナイトメア・プロジェクト発のファンタジーノベル。といっても、若干のホラー要素は否めない。
記憶を失った少女が、愛犬トト、カカシのクロウ、ロボットの木こりのジャック、ライオンの子供のレオンと一緒に、「救世主ドロシー」として長い長い旅をするという話。独特の世界観はもちろん、細部にまでこだわりがみえるキャラクターたち、「歪みの国のアリス」のその後とリンクする特別ストーリーもある。
オズの魔法使いが好きな人、歪みの国のアリスファンにも、こっそりおすすめしたい。というか、ナイトメア・プロジェクト制作のゲームのファンだから広めたいという下心があったりする。
歪みの国のアリスも大好きだし、カーテンコールもプレイしてるから!!
もうそろそろ秋も終わりそうだし、原作VS映画はこれで終わり、だと思いたい。思いたいんですけどね?
映画化された小説が、まだまだ本棚にある。どうしよっかなー。